「就職して働きたいなあ」と思っている人に知っておいていただきたいことがあります。それは、自分の障害について理解を深めて欲しいということです。
オープンでの応募書類は「履歴書」と「職務経歴書」そして「私の障害について」の計3種です。
「私の障害について」という書類を初めて知ったという人もいるでしょう。私も就労移行支援事業所に通所するまでは知りませんでした。
「私の障害について」は単に応募書類というだけでなく、自分の障害についての自己理解を深めるという大事な役割を持っているのことを実感しました。
「私の障害について」の大事な2つの役割
「私の障害について」は大事な2つの役割があります。
ひとつは、応募の時点で会社に障害についてあらかじめ知っておいてもらうこと。
もうひとつは、自分の障害について自己理解を深めるということ、です。
会社に障害について知っておいてもらうのは、なんとなく理解できますよね。
よくわからないのが「自己理解を深める」というもうひとつの役割についてではないでしょうか。
ですから「自己理解を深める」という点についてもう少し考えて見たいと思います。
自分の障害について理解している人は多くない
このブログに訪れた人は、うつ病や双極性障害、統合失調症を発症して体調を崩して会社を退職したという人が多いと思います。
しかし、多くの人が自分の病気または障害について自己理解を深めているとは言えません。
「いや知っているよ」という人もいるかと思います。
では、あなたの病気または障害の症状は?
どんな時に体調を崩しますか?
体調を崩しそうな時の対処法は?または体調を崩さないために努力していることは?
と聞かれた時に正確にお答えできますか?
実は、少なくない人が自分の病気または障害について知っているつもりになっているのです。
言葉を変えれば、自分の病気または障害についてきちんと向き合ったことがない人が多いということなんですよね。
「私の障害について」を作る中で自己理解を深める
自分の病気または障害について自己理解を深めていない時はどうすれば良いのか。
それは「私の障害について」を作る中で自己理解を深めれば良いということです。
「私の障害について」には、病気または障害の症状(障害名を含む)や現在の状況、体調を崩す時の予兆やそうなった時の対処法、体調を崩さないために努力していること、通院状況や服薬で症状は安定していること、などを記載します。
そうすると案外、これらのことについて「日常的に意識していない」ことがわかってきます。
ですから、「私の障害について」を作る中でこれまでを振り返って、今後に役立てることが働くことのために大事なのです。
「私の障害について」はできるだけ早く作り始める
履歴書や職務経歴書と違って「私の障害について」はできるだけ早く作り始めることをお勧めします。
なぜなら、「私の障害について」を作る中で病気または障害についての自己理解を深めることができるからです。
自己理解を深めるというのは早いに越したことはありません。
就労移行支援事業所に安定して通所するためにも自己理解を深めるということは大事なことですから。
修正することを通じることによって自己理解が深まる
「私の障害について」を作ったら、それで終わりではありません。
時間の経過とともに病気の症状または障害の状態、体調を崩す時の予兆や崩さないための努力、通院状況が変わってきます。
これらの変化に合わせてバージョンアップすることが必要になってくるからです。毎日修正する必要はありませんが、2週間に1回のペースで修正すれば良いと思います。
このような作業を通すことでさらに「私の障害について」のさらに自己理解が深まることでしょう。
体調をこまめにメモすることでちょっとした変化に気づく
「私の障害について」は頻繁に修正する必要はありません。
でも日々の体調についてはこまめにメモすることをお勧めします。
ちょっとした体調の変化や天気との関係、「言われて傷ついた言葉」などなど、どんな時に体調の変化が起こるのかを知とともに、その時どのような対処をしたのかを忘れないためにです。
不安に思っていることをメモするのもよいでしょう。
こうしてメモしたことを定期的に振り返ると「私の障害について」の修正もスムーズになります。
まとめ
障害についての自己理解を「私の障害について」を作る中で深めるというテーマで私の経験も踏まえてご紹介させていただきました。
「私の障害について」は単なる応募書類ではないことを強調させて頂きましたが、もちろん会社にとっても貴重な情報となります。
就労移行支援事業所に通所している人も通所を検討している人、または就労移行支援事業所に通所する予定がない人もオープンでの就職を検討しているなら「私の障害について」を一日も早く作り始めてはいかがでしょうか。